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執着のお話。


「触るな」
「断る」

 手を伸ばすこの衝動の名前が、恋だったのならば。
 胸を動かすこの心の名前が、愛だったのならば。
 この女は私に笑いかけただろうか。

 今、あの娘にしているように、笑いかけたのだろうか。
 私とよく似た面立ちに、まったく違う色をにじませる贄にするように、そうしたのか。

 ―――ならば。
 


 
  そんなものである必要は、何一つないのだろう。

  この眼差しに、この上なく満たされるのだから。
  だから。


  だから、どこにもやらない。なににも、渡さない。



 駄目な人二人。夫婦二人に比べたら少しは活気ある顔してもやっぱり目が常時死んでる宗形さんとたまに目が死ぬ藍さん。しかしこの指どうなっているのか。
 鈴の故郷のあれこれの境遇はしきたり云々よりこの人が鈴を気に入らなかっただけなんだけどねと言うお話。一緒にめそめそ落ち込んでいるだけならほっといたのに懐いて笑わせたりするから癪に触ったと言う。すごく駄目なひとです。

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かわいいひと。



 たまには優しくして見せてくださいと願ったら、とりあえずとばかりにくっつかれた。
 撫でてくる手とかは、どちらかといえば子供をあやすようだと思う。
「…ねえ、槙太さん。わたし、あなたのなんですか」
「恋人」
「きっぱりといってくれますけど。あなた、わたしに好きとかたまにしか言ってくれないでしょう」
「たまにで十分だろう」
「えー」
「膨れるな」
「だって」
「だってじゃない」
「ケチ」
「悪いな」
 謝ってないでしょう。全然こころこもってないじゃないですか。
 そういってさらに膨れてやろうかと思ったけれど、止める。
 変わりに手をにぎり、口を尖らせてみた。
「そんなんじゃ他のひとなら怒られるんですよ? だから、わたしが一生傍にいてあげます」
「…ああ、そうか」
 そう言って笑う顔は、愛しているの言葉よりよほど、と。
 そう気付くことはないんでしょうけれども。



 かわいいひとだなあとお互い思ってそうな馬鹿夫婦その2.若い頃。…神宮母と須堂父の異性の趣味はものすごく似てる。というか、色々似てる。素直で自分に愛情向けてくれる人が好き。「結局似たようなのとくっついたわよねえ、私ら…」「…俺の妻とアレを一緒にするな!」「あれって!? あれってなんですか槙太さん!?」「黙れ可愛げのない馬鹿!」…みたいなやり取りをもし健在だったらしていた気がする。奥さん後ろで一歩離れて「…わたしのために珍しくまじぎれ…!?」とかときめいてる。色々道がはなれたのはあれですかね。奥さんが正直に自分の幸せ終えるバイタリティ持っていたのがこっちだったことですかね。幸せになるのに躊躇わないひとだったからですかね。
 色々辛いことあったお話の中、なんだかんだで真っ直ぐに幸せをおってみれた人達のお話です。

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僕達の求めてた幸せは


「今日も舞華が超可愛い」
「…今日もあんたは親ばかね」
「僕の奥さんもめっちゃ可愛い」
「ただの馬鹿ね」
「でも美華さん、幸せだろ」
「…まあ、舞華がいるから」
「ぼ、僕は!?」
「――――いるのが当たり前すぎて、今更幸せは。とてもとても?」
「……」
「…なによ、にやけて」
「…いえ。すごく当たり前なんですね?」
「……そ、それが、それがなによ」
「いえ。いえいえ! つまりそれだけ僕と暮らすのが当たり前なんだね。
 僕も貴方といると、すごく当り前で、安らぎます!」
「…今更嬉しそうに言うな、馬鹿!」



 僕達の求めてた幸せは。
 いま、腕の中であたたかい。


 とても幸せな馬鹿夫婦。二人が一番嬉しかったことは何かと言われたら娘が生まれたことと言いそう。二番目は娘があるいたこととかともかく娘のことが続く。
 終わりがあれでも幸せな馬鹿夫婦。二人とも大概親ばかです。娘も両親になつき放題です。

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いろのないお話。


 母との記憶に出てくる色は、とても少ない。
 真っ白い部屋で、真っ白い母は、いつも難しいような気の抜けたような顔で、文字を追い。時には血の匂いをさせて、好きなものを買ってこいとお金だけを渡してきた。

 いま思えば、あの生活は。




「なんでお金が続いたか不思議なのよね」
「…………特売セールのちらしを見ながら重い告白しないでくれ」
 なら何をしながらよかったと言うのか。
 たぶん、なんでも駄目だろう、自分のことのように痛いと言うような顔をする、この人は。…でも、この話は。
「…重いの?」
 当たり前のことで、重いなんて思わないから。
 常々軽いとか言われるのかしら。
「…………いや」
 たっぷりと間をおいて、ひどく複雑な顔をして、彼はそう言う。
「お前が重くないなら、たぶん、いいんだよ」
 じゃあいくかと伸ばされた手のひらに、特に疑問なく手を重ねる。
 僅かに驚いた顔をされるのが、少しだけおかしいと思った。




 基本的に娘を産んだ頃には目が死んでた祐絵母。多分父は誰も知らない。ちなみに名前は実央花と書いてみおか。
 …特に語る機会がなさそうな裏設定では昔は結構有名な研究者でした。ぷち財産持ち。一時期とはいえ評価されてた名前だからこそ、祐絵は孤児院の方の姓を名乗ってます。まあ、そのくらいの「有名さ」や「有能さ」は別に魔術師的にはありがたがるほどのものでもなかったのだけれども。
 そこそこに有名で優秀な人でしたが、徐々に研究内容が歪んでいきました。その結果、周りの目線的に住んでた町にいられなくなりました。もってた山にこもってみました。そこでますます戻れないところまでいってしまいました。
 彼女が求めていたのは永遠の命でしたので。いきつくところまでいって、自分の身体で色々試してみたその末路はまあ語るまでもないと言うあれですね。


 …なお、魔術に耽溺しまくった女という意味で祐絵と拓登の母親は同類なので。それだけ思うと二人の未来はわりと結構薄ら寒いですが。まあ、二人とも傷のなめあいしたくて一緒にいるわけじゃないので、たぶん暖かいところにいくのでしょう。というか二人とも、大して母親に感慨ないしなあ。

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あわれなおはなし。




 物心ついた頃から、大きな屋敷につれていかれた。
 その屋敷には、いつも。ひどくぼんやりとした眼差しの、次期族長がいた。

 つまらなそうな顔をするそのひとが、私は好きではない。
 好きではないが、彼にまつわる諸々の権力は。
 たぶん、愛すべきものなのだろう。

 だから、嫁にと求められた時、笑って頷いた。
 物心ついた頃から、誰もが求めていた地位を、手に入れた。

「ねえ、私、知っていますわ。
 あなたが私を選んだ理由」
 だから私は満足で。
 けれどこの人は満足ではないのだろう。
「…そうか。なんだと思う?」
 言う私に少しだけおかしそうに笑うこの人は、でもいつも満たされない。
 哀れだと、そう思う。
「あの方が大切なのでしょう」
 大事な大事なあの方とそうことの叶わないこのひとは、きっと。
 いつまでたっても満足しないし、つまらないのだろう。
「あの方をいじめて追い出すような方は困るから、私だったのでしょう」
 笑いながら聞く私に、もうすぐ夫になる男は、黙って笑い、何も言わない。
「…好きな方にはもう少し優しくすればよろしいのに」
 少し突っ込んでみても、表情は変わらず。
 ああやはりつまらない顔をする人だと、そう思った。





 仮面夫婦というか、情のない夫婦。もはや清々しい。母が父を選んだのは権力目当てです。父が母を選んだのはまあ藍さんが大事に思っていたひとだからです。で、後で嫌がらせするために妻づきにしたと。…普通に生まれていても鈴は藍が育ててそうだなあ。そして懐いたらどうせ酷い目にあいそうだなあ。どうあがいても泥沼だなあ。

 そんな泥沼にはまる前に自分の世界の引っ込んだと言う意味では案がい賢かったお母さんの名前は琳子。読みはりんこ。生まれながらにお姫様。ナチュナルに上から目線。自覚なんてないけどプライドエベレスト。
 優しい人ではあります。正しい人です。でも正しいことが正しく捉えられないところに生まれた所為で色々と歪んだひとでもありますが。

 旦那は妻にはそれなりに紳士でそれなりに優しかったでしょう。目は常に死んでいますが。デフォだし。どうでもいいものに優しく大事なものにひどい男略してただの駄目人間宗形。自分を憐れむ妻を「…見たいものだけ見て馬鹿な女」と思っていたのでしょう。
 …娘が子の両親に育てられなかったことは、まあ理由はともあれ結果的に幸せだった気がしなくもない。

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