―――気が付いたら、手が真っ赤だった。
それを不幸だとも、嫌だとも思っていなかった。昔は。
そういう言葉を知らなかった、昔は。
けれどその意味を知って。己の言葉と、向けられた言葉の意味を知って。
そのままはどうしよもなく嫌だった。
―――気が付いたときには、手に銃しかなかった。
それが不思議だとも、嫌だとも思わなかった。昔は。
不思議で不自然で、嫌がるのが普通なのかなと、今は思う。
だからその理由を知ろうとして。失った過去と、ただここにいる今も思って。
このままでいれたらとぼんやりと祈ってる。
なにもない過去に、なにもないこの身に、覚えているのは一つ。
自分と同じ生き物が焼ける匂いに、血を流す匂い。
それだけが過去の自分の願いなど、きっと最初から届かないけれど。
人外魔境要飼育組。慶とりお。
一人にいたら割とあっさりどっかでのたれ死ぬ程度に偏りに偏ったステータス。誰かに使われるために故意に偏らされたステータス。
二人ともそれに気づいているし、まあそういうものだと納得している。なにしろ他など想像の範疇外だから。

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