「触るな」
「断る」
手を伸ばすこの衝動の名前が、恋だったのならば。
胸を動かすこの心の名前が、愛だったのならば。
この女は私に笑いかけただろうか。
今、あの娘にしているように、笑いかけたのだろうか。
私とよく似た面立ちに、まったく違う色をにじませる贄にするように、そうしたのか。
―――ならば。
そんなものである必要は、何一つないのだろう。
この眼差しに、この上なく満たされるのだから。
だから。
だから、どこにもやらない。なににも、渡さない。
駄目な人二人。夫婦二人に比べたら少しは活気ある顔してもやっぱり目が常時死んでる宗形さんとたまに目が死ぬ藍さん。しかしこの指どうなっているのか。
鈴の故郷のあれこれの境遇はしきたり云々よりこの人が鈴を気に入らなかっただけなんだけどねと言うお話。一緒にめそめそ落ち込んでいるだけならほっといたのに懐いて笑わせたりするから癪に触ったと言う。すごく駄目なひとです。

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