たまには優しくして見せてくださいと願ったら、とりあえずとばかりにくっつかれた。
撫でてくる手とかは、どちらかといえば子供をあやすようだと思う。
「…ねえ、槙太さん。わたし、あなたのなんですか」
「恋人」
「きっぱりといってくれますけど。あなた、わたしに好きとかたまにしか言ってくれないでしょう」
「たまにで十分だろう」
「えー」
「膨れるな」
「だって」
「だってじゃない」
「ケチ」
「悪いな」
謝ってないでしょう。全然こころこもってないじゃないですか。
そういってさらに膨れてやろうかと思ったけれど、止める。
変わりに手をにぎり、口を尖らせてみた。
「そんなんじゃ他のひとなら怒られるんですよ? だから、わたしが一生傍にいてあげます」
「…ああ、そうか」
そう言って笑う顔は、愛しているの言葉よりよほど、と。
そう気付くことはないんでしょうけれども。
かわいいひとだなあとお互い思ってそうな馬鹿夫婦その2.若い頃。…神宮母と須堂父の異性の趣味はものすごく似てる。というか、色々似てる。素直で自分に愛情向けてくれる人が好き。「結局似たようなのとくっついたわよねえ、私ら…」「…俺の妻とアレを一緒にするな!」「あれって!? あれってなんですか槙太さん!?」「黙れ可愛げのない馬鹿!」…みたいなやり取りをもし健在だったらしていた気がする。奥さん後ろで一歩離れて「…わたしのために珍しくまじぎれ…!?」とかときめいてる。色々道がはなれたのはあれですかね。奥さんが正直に自分の幸せ終えるバイタリティ持っていたのがこっちだったことですかね。幸せになるのに躊躇わないひとだったからですかね。
色々辛いことあったお話の中、なんだかんだで真っ直ぐに幸せをおってみれた人達のお話です。

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