趣味ではない化粧をさせて、動きづらい服を着せて。
それはそれは楽しそうに笑う男を見ている。
「かわいいね」
「そうですか。私は腰がきついです」
「それはごめんだけど。…でもずっとこうならいいのに」
「嫌です。何の仮装ですかこれ」
「俺しか見てないならいいじゃない」
「……ならずっとは無理でしょう」
「あは。つれないなあ」
笑う彼の言わんとすることを知っている。
彼はつまり、動かないでどこにもいかない、そういう存在であってほしいのだろうと、知っている。
知っているから―――
たまに。
本当に、たまに。
この男ののぞむものになれたらよかったと、思うことがある。
けれども。
触れてくる手に目を閉じて、その考えをそっと沈める。
だって、そんなものになったなら。
次は首をと、乞われるのだろうから。
智華と遥霞。
私とあなたの人形遊び。あるいはあなたで人形遊び。

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