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今は昔の親子のお話。

「…紫音はどうしてけんかをしてくる」
「ばかにされたから」
「そんなことでいちいちしてたらだめだ。やめなさい」
「だって。ばかに」
「紫音」
「おとう」
「…そうして家に帰ってこないお前を探している間、私達は死ぬほど心配だ」
「…でも。おとうさん」
「うん」
「ばかにされたままでいいの」
「ああ」
「それはいいことなの」
「……なあ。紫音。紫音はそのままは嫌か」
「うん。やっ」
「…そうか。……ごめんな」




「…それでもやめなさい。女の子が怪我をするものじゃないよ」
「おとうさんもにー達も男の子なのに。しぃだけ女の子?」
「お母さんもいるだろう」
「おかあさんだけだもん。みんなでしぃとおかーさんをのけものだ」
「のけ者はひどいなあ」
「でものけものにしてるもん」
「そんなものにはしないよ」
「お風呂違うもん」
「確かに違うなあ」
「ご飯も違うもん。だからしぃも男の子になるもん」
「私は紫音が男になったら寂しいなあ」
「なんでさみしーの」
「お母さんが寂しいだろう。紫音の考え方で行くと一人のけものになってしまう」
「…それは、や」
「紫音は優しい子だな」
「…なら、いーや」



 遠い昔の紫音とおとん。イン逃亡生活中。なお紫音が生まれたのは逃げだした後。「三人目にして突然の女の子かあと思ったら誰よりあなたに顔にてるってなんなの?その顔の遺伝子はどれだけ強いですか」とか言われてる。
 ちなみに女の子といいつつ男の子っぽくふるまうことも男の服着るのもむしろ推奨されてた紫音さん。
 いざという時俺が連れてたのは二人の息子と妻ってことにしとけばこの子は助かるかもしれないからなあとか考えられてた。そして実際それでちょっと逃げられた。そして聖那に会った。
 もう私は優しい子じゃなくなってしまったなあとか娘はごくごくたまに思いだしてる。

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