初めて会った時。
人形みたいなひとだなあ、と思った。
顔が綺麗というのもあるけれども。それよりなにより、雰囲気が。
綺麗なそのひとは、口をきいても、生きているように、見えなかったから。
だから、オレは、この兄の恋人が、苦手だった。
「……成冶君は」
少し交流を重ねて、別にそこまで冷たい人ではないと思う今も、苦手だ。
「拓登に似てるわね」
真っ直ぐにこちらを見てくる目とか、淡々と紡がれる言葉とかが、すごく。
居心地が悪くて、好きになれない。
「……まあ、兄弟だから。似てるところも、あるんじゃないの」
だからぞんざいに答えれば、こくりとうなずかれた。
「説教くさいところが、すごく」
さらに続いた言葉に、わりと結構へこんだ。
「そういう顔をすると、余計に似るわね」
「…そうですか」
わざわざ口にするそれはあなたにとって、少しは面白いことですか。
あなたとの差に温度差を感じて、落ち込んで。それでもあなたから離れない、あの阿呆な兄に関わることは、あなたにとって――――
浮かんだ言葉を飲みこんで笑う。
たぶん、その顔は、無愛想なあの人にゃ似てないのだろうから。
・別に仲は悪くも良くもない。成冶は祐絵がまあ好きと言えば好きだし、嫌いと言えば嫌い。複雑。祐絵は別に何とも思ってない。まあ、わりと万人に対してそんな感じだし。
