暗い夜から声が聞こえた。
嘲るような、声だった。
あなたはそれが好きですか。
ああとても困ったことに。
姿も見せないその声に、俺は素直に答えていく。
あなたと同じものを返さずとも。
人間そんなもんだろう。
なぜか腕に抱いた女をみながら、そんなことを答えていく。
ええ人間はそんなものです。でも人間ならばなにかしら返すでしょう。
なにかの手違いで生まれた生き人形に、返すものなどあるのでしょうか。
くすくすと響く意地の悪い笑い声のように。
耳障りなその声は続いていく。
きっと感情はトレースして作りだした紛いもの。学習したパターン。
胸にある欲望などただ一つ―――死にたくはない。
きっと俺がずっと思っていた声は、止まらない。
けれどねえ、世の中。
死にそうになることだってあるでしょう。
マネをするにも、手本はいるでしょう。
マネをして、守ってくれるものが。
なにかの手違いで生まれたモノには、必要不可欠です。
それでも、あなたは――――……
「なにを朝から蒼い顔してるの」
「……いや、鬱な夢、見て」
「そう。…お湯出す?」
「…………いや、いいや」
「そう」
「ああ。いいんだ」
ちゃんと小説に起そうかとも思ったけどできなかった小ネタ。ベムヒナをくっつけながら(いやまだくっついていないと言い張ってるけど。緋那が)逆ならすくわれねーなあー。と思って書いた。無気力で執着ないひとに執着した人のお話。まあ彼女それでも契約前のベムよりは感情豊かですが。

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