見えぬはずの者すら見、凡人の努力を超えるその才が妬ましい
別に才能があればいかすべきだと説く気もないし。有効活用されたらされたで、気分が悪いのだろうと思う。
けれどもいつも思う。
ああ、もったいない。
ああ、もったいない。だから、と。
だからむしろよこせなどと、それができないことなんて。
中途半端に有能な頭は、痛いほど分かってる。
ぼんやりと兄の姿を映す友人の顔は、いつも私の知らない顔だ。
忌むような。厭うような。そんな印象を受ける顔なのに、声が裏切る。
なつかしむような、悲しむような、気遣うような。
よくわからない色々なものがないまぜになったような態度を、いつもしている。
彼にそんな顔をさせるのが、血のつながりというものなのか。
私には生涯分からないのかもしれない。
お互いにないものがうらやましいお話。
けれども二人とも口には出さない。言っても誰も幸せにならないと思っているから。

PR